BLOG

2017/07/14

野沢温泉ロッジでんべえリニューアル工事

野沢温泉ロッジでんべえ さんに、改装のご相談を頂いてから1年。
ようやく先日、竣工検査を終えました。
古い建物の調査に来た去年の今頃も、窓いっぱいに見える紫陽花が印象的だったのを思い出しました。

ロッジでんべえ は、旧館の木造部分と本館の鉄筋コンクリート部分が別棟区画で繋がっている建物で、これまで幾度となく改築、増築を繰り返しているため、建物としては様々な部分で不具合を抱える旅館でした。

当初、中でも一番古い木造部分は解体して、鉄筋コンクリート造の建物を増築したいという要望もありましたが、シーンデザインから、工期や予算的な部分でメリットがありる木造部分のリニューアルを提案しました。

古い建物の履歴や図面を調べ、現場をくまなく実測し、遵法性について調査検討し、地方事務所と打合せを重ね、既存本館との兼ね合いのなかでどのように折り合いを付けながら改装を実現させるか。

実は、設計者とすれば鉄筋コンクリートの増築の方がシンプルで簡単な作業なのですが、全体の事業性を考えれば、今ある古い建物の活用はメリットがあると思います。特に古い旅館やホテルなどは、長い年月の営業の中でオーナーも把握不可能なくらいに、いろいろなものが複雑に絡み合っていることが多いので、設計はとても面倒なのですが、改装前に見た窓いっぱいの紫陽花が、改装後に同じ窓から見えた時に、古い建物を残した提案でよかったと、あらためて思いました。

FOLLOW US