築約35年の住宅リノベーション。傾斜地を造成した敷地に建つ本物件は、不動沈下していて、柱や床が斜めになっていることを目視で確認できるくらい傾いていました。また、増改築を繰り返しているらしく、仕上げを剥がしてみると、構造はつぎはぎだらけで、部材も貧弱なものが目立ちます。
1970年代後半の高度経済成長真っ只中に建てられた住宅は、構造がそんな状況になっていることが多い気がします。合板などの新建材も多用されるようになるのもこの頃で、リノベーションをして再利用していくには難しい案件でした。
建物としては不利な条件ばかりでしたが、周辺のロケーションは最高で、北側には大きな桜並木が広がり、二階に昇れば北信五岳が一望できる見晴らしの良い立地条件でした。
鉄板サイディングが張られていた既存外壁のうち、水廻りの周辺の外壁のみ板張りに変更。玄関の位置を移動して、アプローチにキャノピーを設置しました。
リビングダイニングは、見晴らしの良い2階にまとめられました。北側の窓からは、高い位置から、いつでも迫力ある桜並木が見えます。
子供は女の子3人。あえて個室の子供部屋をつくらず、そのかわり、家の真ん中に、みんなの学習スペースを設けました。大きな窓いっぱいに見える桜の木は、四季折々の景色が楽しめます。
構 造: | 木造 |
施 工: | 株式会社マイルーム 建築工房アカシア |
撮 影: | ナノグラフィカ 内山 温那 |