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2011/07/19

まつしろ現代美術フェスティバル


松代というまちは、夏が似合うと思う。
松代のまちは、端正な佇まいの建物や周辺の豊かな自然と共に、
常に「暗」が同居しているような、そんな雰囲気を持っている。

そしてそれが、強い日差しによってより鮮明になることが”夏”のイメージに繋がっているのだと思う。
もちろん、これまで松代が歩んできた歴史を予備知識として持っていることが、
少なからずこの感覚に影響していることは否定できない。
それでも、その状況こそが美しいと感じてしまう。

会期最終日に訪れた、まつしろ現代美術フェスティバルでは、
改めてそんなことを思った次第。
パンフレットには、
「本展覧会は、過去の歴史を踏まえた日本と韓国、アジアとの関係を、
アートの面から再考察するという主旨を携え、・・・」
といった説明はあるものの、どんな主旨かは記載がなかった。
記載が無いのは、たぶん”言い難い事だから”という理由だと思うが、
「言葉」で伝えないところが、このフェスティバルの狙いでもあるのだろう。
ひとつの考え方として、ナショナリズムが生み出した罪責は、
ナショナリズムの解体を志向する方向で償うべきだということだろうか。
何れにしても、この場所でアートが担わされているテーマは重い。
でも、緊張を保ちながら、様々な割り切れない想いが同居する状況が、
僕はやはり、美しいと思う。

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