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2011/08/04

平成のすやり霞

これまでの武井神社御柱祭り大絵馬には、
大和絵特有の表現手法である”すやり霞”が書き込まれている。
同一画面内で複数の場面や情景を共存させるための雲型で、
絵巻物や、大和絵には”お約束”のものとして描かれているものであるが、
武井神社に残る3つの大絵馬にも、各々特徴的なすやり霞が描かれている。

左から、江戸、大正、昭和の大絵馬の拡大写真。
江戸のすやり霞は緑として描かれていて緑豊かな門前だったことが伺える。
大正のすやり霞は金雲。これも、時代的には西洋の文化が入ってきて、
これまでにない雰囲気漂うまちをよく表現している。
そして、昭和はなんとビルのかたちをしたすやり霞。
長野オリンピック招致に向けて、開発が活発に進んでいる様子がよくわかるし、とても斬新。
では、平成の大絵馬にはどんなすやり霞が相応しいのだろう。
そう思っていたら、山口(OZ)さんが描いてき下絵のすやり霞は、
門前の建物たちと豊かな緑の共生した姿!

山口(OZ)さん曰く、僕らが未来の門前として願う姿を、すやり霞としたとのこと。
絵馬というのは「記録」でもあり「記憶」でもあり「願い」でもあるんですね。
平成のすやり霞も、どの時代にも負けない素晴らしいものになりそうです。

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