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2008/10/19

緩やかな企業のつながり

コラボレーションという言葉は一般的にもかなり浸透してきている。
最近ではモスバーガーとミスタードーナッツのコラボしたモスドが記憶に新しい。
我々建築設計の業界では古くから外部の構造設計者や設備設計者との共同作業(所謂コラボ)をすることが多く、最近ではインテリアデザイナーや照明デザイナーなどとのコラボで仕事するケースが少なくない。
これは、「お互いの持っているものを利用し合って手を組みましょう」的な展開なのだが、最小ユニット単位でスポット的に扱われる場合が多い手法でもある。
対して、これからの新しいブランド開発の手法として注目されているのが「プラットフォーム型のブランド」らしい。
この【プラットフォーム・ブランディング】という手法は、一つのテーマをプラットフォームに見立て、このテーマに共鳴する企業がアライアンスを組む。資本の提携関係を持たず、緩やかな企業のつながりをもって全体としてブランディングしていこうという手法だ。
例えば「暖かい家づくり」というテーマを設定して、そのカテゴリーに特化した専門企業が商品やサービスを開発して連携していく。1社では弱いブランディングを数社集まることによって大きな力にしていく。面白いのは製品企業とサービス企業が同じプラットフォームで展開できるから、新しい流通の開拓に繋がっていくのではないかというところにある。
最近このプラットフォーム・ブランディング的なことを意識的に試みる機会があった。
ある企業からの当事務所への申し出から始まった案件だったが、残念なことに途中でお断りすることとなってしまった。(実際には私が勝手にこのブランディング手法を思い描いていただけなのかもしれない)
お断りした理由は、どのように「ブランド認知」してもらうか?どのように、ばらばらではなく「一つのブランドとして消費者とコミュニケーションするか?」という最大の問題を棚上げにしたまま時間的な制約から消費者に誤解を与えたまま作業を進めざるを得ない状況になってしまったからだった。根気よく続けていれば見えてくることもあるかと思うが、ベースが揺らいでしまっては迷惑をかけることにもなりかねないので今回は・・・。
閉塞感いっぱいの建築業界だから、まぁこれに懲りずいろいろな展開を模索してみようと思う。

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