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2008/11/05

岩村町の蔵


岐阜県恵那市岩村町は江戸時代に東濃地方の政治、経済、文化の中心として栄えた城下町。現在は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、城下町として形成された町の形態と近代の発展過程を伝える町屋群が一体となっていて、東濃地方の商家町として特色ある歴史的景観を色濃く伝えている。
写真はその岩村町で見かけた蔵屋根の軒先。よく見ると軒のラインが少し起(むく)っているのがわかる。垂木がヘタってしまって軒先の両端が下がっているのかとも思ったが、全体的にきれいに起くっているので、わざわざこのような形にしたのだろう。しかもこの屋根は蔵にはめずらしい方形(ピラミッド型)をしていて、当然棟の四辺も起くっている。イメージとしては骨が4本のビニール傘を開いた時の形とでもいったらよいだろうか。見た目には優しい表情の屋根形状は、かなり難しい技術(というか面倒くさい事)を駆使していることがうかがえる。
優しく街並みに溶け込んでいるこの屋根は、そのデザインを普段誰にも気付かれる事もなく佇みながら、それでいてこの町の景観を印象付ける大事な要素になっていました。マニアックだけど、こんなデザインが好きです。

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