2020/01/20
リノベと法規
昨日は、カネマツを題材に卒業設計をした大学生の現地プレゼンを見に行きました。
講評をすると、
良い点:建物をまちの一部として“半公共的な小路”を取り入れ、建物の奥に店舗を構えても、まるで路面店のような魅力を各店舗が持てること。
考えなくてはならない点:建築法令的には提案実現が不可能なこと。
このプレゼンを聞いて、学生や若い実務者に圧倒的に足りないスキルが建築法規に関するものだと、私自身が気付けたことが最大の収穫でした。特にこういうリノベやまちとのかかわりを提案する時には法令の解釈が必要不可欠です。
学生に法規の話で発想や夢を制限してしまっては、よろしくない的な雰囲気は、確かに昔の教育現場にはあったような気がしますが、これまで多くのリノベに関わってきた経験から、それは逆だと思うようになりました。
建築法規や関係法令が、何を制限しているのか深く知ることは、逆に“何ができるのか”を明確にしてくれるのです。
これをちゃんと理解すれば、発想は具体性を持ってより現実的かつ実現可能性が飛躍的に高まります。
リノベが単なる空間操作に終始してしまわない為にも、我々大人たちがちゃんと指し示していくことも必要だなと思いました。