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2020/07/22

雨やどり

“雨やどり”という言葉がある。
さだまさしの歌のように、“雨やどり”という行為が人の想いや行動、はたまた人生の岐路に結びついていくことだってあるかもしれない。

雨やどり」作詞作曲:さだまさし

“雨やどり”がし易い雰囲気も重要だが、“雨やどり”ができるという屋根の存在が建築と人とを結び付けた様々なシーンを連想させる。

逆に、常に降雨から人を守るために歩道を全てアーケードで覆ってしまったとする。
そうすれば雨に濡れることもないが、同時に“雨やどり”という行為もなくなってしまう。
雨に濡れない代わりに、もっと豊かであった筈の体験や経験を、その人の人生から奪ってしまっているかもしれない。

だから、雨に濡れることなく移動できることの価値と、雨宿りができる屋根の価値は別物なのだ。
どちらを選ぶかは、もう思想の違いであって、どちらが正解という話ではない。


人の営みの背景に溶け込みながら出しゃばり過ぎない優しさをデザインできたらと思う。

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