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2020/08/14

小布施のまちづくり

日経アーキ8/13号の建築巡礼は宮本忠長の信州小布施北斎館がテーマの記事でした。
毎号、楽しく読ませていただいているコーナーです。
今回もライターの磯さんのコメントが面白い。
「どうしても比較してしまうのが、槇文彦が設計した「ヒルサイドテラス」だ。第1期のA.B棟は、ほぼ当初のまま残る。その後のプロジェクトも原則、第1期のグリッドに従って立つ。身が引き締まるような統一感・・・。それに対して“小布施宮本ワールド”は、明確な軸線もないし、素材の統一感もない。それどころか、原点となった北斎館のイメージさえも、あっさりと変えてしまう。まさに「浮世」(定まらない世の中)の町づくり。これからはどっちの時代に向かう?」

一度決めたら状況や環境が変わっても、同じ方法論でそのまま何十年も突き進むような町づくりや再開発事業には無理があると思う。
年と共に人の考え方も変わって当然。その時に最善と考えるならば、過去の自分をあっさり否定したっていいと思う。いや、その方が、建築家としても勇気がいる決断なのではなかろうか。
でも、宮本忠長事務所の所員として、宮本忠長に感じていたことは、変化しない本質的なものは確実にあったということ。「浮世」というよりは「不易流行」であったと思う。
これからの町づくりがどちらへ向かうべきかは、言うまでもない。

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