2022/02/11
時間を経ることで獲得するデザイン
「飯綱高原交流拠点施設等整備工事」 施設名『森の駅Daizahoushi』は、
グランドオープンが4月22日に決まり、工事もいよいよ大詰めです。
さて、前回の外構計画の紹介から間が空いてしまいましたが、オープンに向けてこのプロジェクトの様々な取り組みを少しずつ紹介していこうと思います。
写真は、この施設のほぼ全てを構成している外壁です。
素材はカラマツの羽目板。
実はこの羽目板、もともとこの敷地に生えていたカラマツを使っています。
建物を建てるために、どうしても伐採しなくてはならなかった樹木は処分せず、大切に建物を特徴付ける外装として利用しました。
カラマツには、「熱」と「水」だけを使用した水蒸気式高温熱処理を施して、薬剤や塗料を一切使用せず耐久性を持たせています。
節や色むらも自然のままです。
今後、経年変化によりグレイッシュに変化していくと思いますが、
その変化は木にとってごく自然なものとして受け入れていこうというコンセプトです。
建物を大切に使いながらも、汚れる、酸化する、色褪せる、縮む、伸びる、ねじれる、日に焼けるといった退行現象がデザインとして素敵だと感じること。
完成品から時間を経ることで獲得するデザインがあると思う。
そんな感性を市民と共有し、長野から発信できれば素敵だなと思います。