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2022/10/06

アダプティブリユース

 

海外の建築業界内で最近注目を集めている「アダプティブリユース」という言葉。
日本では、まだ聞き慣れない言葉ですが、歴史的な建築物を保存するだけでなく、現代社会に「適合(アダプティブ)」させ「再利用(リユース)」するという意味のようです。
リノベーションという言葉が市民権を得て久しいですが、それとは少しニュアンスが違います。
日本でリノベーションという言葉のもとに行われているものの中には、既存の建物や空間の性質・特性を無視した単なる内装工事のようなものもあるし、そもそもお金がないという理由からリノベーションを選択していることが多いので、その内装もチープな場合がほとんど。壁も天井も白く塗ってしまえばリノベーションみたいな。
ひと昔でこそリノベーションがもてはやされていましたが、もはやリノベーション=安っぽいという印象さえ漂う言葉になってしまった。
工事費が高いか安いかという問題よりも、既存の建物の性格を読み解き、社会的・経済的メリットをもたらすサスティナブルな戦略の実践との認識が、今の日本で行われているほとんどのリノベーションには薄いのだと思う。
多くのリノベーションが、「その場しのぎ」であって、薄っぺらいのである。
さて、アダプティブリユースという言葉が、今後浸透していくかどうかはわからないが、注目していきたい手法です。

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