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2019/01/09

歴史と連続した新しさ

雑誌「建築士」を読んでいて、「歴史と連続した新しさ」という言葉を見つけ、思い出すことがありました。

事務所を立ち上げて間もない頃に設計したTHE KAWABUN NAGOYAは、鉄骨造4階建ての新築の建物です。
竣工はもう10年も前になります。
同じ場所に建っていた老舗河文の既存木造旅館棟を解体して、新築の結婚式場を建てるという計画でした。
その計画に際して、壊されてしまう建物の詳細な実測調査を行いました。
本来なら解体する既存建物実測調査は必要ありません。

なぜ、実測調査を行ったのか。

それは、既存建物の持つ寸法体系や建具や素材などを、もう一度現代の用途要求に合わせて構成し直すという作業をすることで、まさに「歴史と連続した新しさ」を目指していたからです。

10年経って、ようやくしっくりくる言い回しに出会えました。
新築でもリノベでも、「歴史と連続した新しさ」は常に大事なテーマでしたが、今後はより意識的に考えていけそうです。

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