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2019/01/27

ノスタルジックな未来感

アソビズム横町オフィスの3期工事では、3階に3Dプリンターやレーザー加工機等の精密な機械が設置される部屋として、新たにガラス張りでセキュリティーが強化された部屋が設けられました。
部屋の扉には、鍵穴や引手はありません。
スタッフの認証カードをリーダーにかざすと、自動ドアが開く仕組みです。そんな未来的な開閉方法のドアですが、自動ドアの駆動には、一昔前のエアーシリンダーを採用しています。
SF映画の宇宙船の扉などが開くときに「プシュー」といいながら開くやつです。
もちろん、“プシュードア”はクライアントの要望であったわけですが、これが思いのほか難しい代物でした。

先ず、モノがない。コンプレッサーが必要。エアー配管が必要。そしてプシューという音を強調させたい・・・などなど。

ちょっと前までは、工場の扉などに普通に使われていたものが、今ではほとんど電気モーターによるドアエンジンに置き換わっているので、今時の自動ドアの音は“プシュー”ではなく“ウィーン”。宇宙船の扉がプシューという音と共に開くのは、ノスタルジックな未来感なのかもしれません。
それでも、出来上がった自動ドアはなかなか面白いものになりました。
協力してくれた自動ドアメーカーも、かなりレアな依頼ということで、一緒に面白がって協力してくださいました。
駆動部は露出にして仕組みが分かりやすく見えるようにしています。

プシュードアを採用してみて感じた事は、知らず知らずのうちに、建築にはブラックボックス的な部分が増えていて、こういうものを一から考えることが少なくなっているなということ。“仕組み”がわかれば、次の想像力につながります。よい経験をさせて頂きました。

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