2021/03/18
施工図
設計図というものは、自分の頭の中にあるものを紙の上に書き出す作業ですが、それ以前に、2次元の紙に3次元の素材を組み立てていく作業でもあります。
それは単に紙の上に描かれた絵ではなくて、気持ち的にはそれぞれの素材や重さ、手触り、色、温度なども感じながら描いています。
さらには、施工の手順、つくりかた、部材の加工の過程も想像しながら描きます。
紙の上に実現可能なひとつの世界をつくるのです。
施工図を描いてもらうということは、その過程を実際につくる人と共有する作業でもあります。
おそらく自分一人の頭の中にしかなかった世界を、施工に携わる多くの人と共有できる機会だとも言えるので、大事にしたい工程です。
最近、ちゃんと考えて施工図を描いていただけない施工者や現場が多い中、今回のように一緒に同じ方向を見ようとしてくれる現場は、嬉しい限りです。