2021/09/26
トイレ設計の新常識
トイレ設計の新常識 という日経アーキテクチュアの記事。
法律(バリアフリー法)は、一定以上の施設に車いす対応のトイレを一つ以上設けるよう設置者に義務付けています。
ここに人工肛門を付けた人(オストメイト)用の設備、乳幼児と一緒に利用できるベビーチェアなど他の機能も設けて、「多目的トイレ」「多機能トイレ」としていました。
この一般的な呼び名であった「多目的トイレ」が、今年の2月に国交省からの要請により別の名称に変更する事例が多くなってきています。
加えて、単に名称だけでなく、一つのスペースに機能を集約させず、用途によって機能を分散配置することが、今後のトイレ設計の常識となっていきそうです。
さらにさらに、オールジェンダーに向けたトイレ設計も大事ということで、従来のトイレの在り方から大きく変化を求められています。
もっと言えば、感染症対策からも今後新しい提案や常識が生まれるかもしれない。
こうして、これまで長い間あまり変化が無かったトイレのプランニングやレイアウトや大きさ、設備機器や温熱環境に至るまで影響を余儀なくされる程に社会状況がここ数年で激変したということだろう。
建築の古さというのは、物質的な経年劣化よりも、こうした社会的な意識の変化に取り残されてしまう事態になる方が耐用年数が短くなると思っているので、今後も注意しながら設計に反映していきたいと思う。